Ellicia 真実の欠片

ああ、あなたですか。ちょうどいいところに来てくださいました。
奪われた呪いの鎧について調査し、思ったことがあるのです。

呪いの鎧を奪ったあの女性が逃げたと思われる場所を調べてみたのですが…。
これといった手掛かりは見つかりませんでした。
魔物を呼び出すような罠を仕掛けるほどの強い力を持ちながら、その痕跡を一切残していない…
これがその女性の仕業であるならば、おそらく現時点で女性を追跡するのは不可能でしょう。
つまり、彼女の正体、鎧の行方を追う唯一の方法は、その理由をつきとめることです。
呪われた品々は、魔族により世界中にばらまかれました。
その効果は、あなたも見たように体を溶かしてしまったり、ひどい苦しみを与えうるものです。
何の理由があってそのような呪われた鎧を手に入れようとしているのか。
これを奪おうと考えるのは誰だと思います？

ええ…そうです。魔族が、何か理由があって世界に呪いの品々をばらまいている。
これが想定とは違う人間の手にあると知れば、奪い返しにくるのは当然でしょう。
つまり、あの女性は魔族の仲間なのでしょうか。まだ分かりません…。
鎧を調査して判明したことがある…とお話ししたのは覚えてますか？
あの鎧にかけられた呪いは限りなく強力で、魔王の得意とした闇の呪いに似ていました。
呪いがかかるということは直接対峙した人間…つまり、あの鎧の持ち主は…。
100年前に魔王を倒した12英雄の一人である可能性が高い。
可能性…と断言できない理由が、もう一つの発見にあります。
鎧の胸部に紋章らしきものが刻まれていたのです。
しかし、それの示すものがわからない。
王宮図書の史料は、粗方読んできたつもりですが、その紋章は見たことありません。
鎧の持ち主が英雄ではないとすれば、鎧の持ち主は誰なのでしょう。
歴史に残らなかった英雄が存在するのかもしれません。
分からないことが多すぎますが、私たちは真実の破片を手にしているはずです。
例えば、覚えていますか？「黒い短剣」のことを。
あの船員が盗み出して、その呪いを受けた、鎧と同様強力なあの剣です。
確か、王宮秘伝の布に包んでアーデンさんへ預けましたよね。
何か共通項があるはずです。私は、これからその短剣の入った箱を取りに行きます。
あなたは、もう一度、呪われた鎧を掘り起こした場所を調べてくれませんか？
持ち主の情報につながる何かが見つかるかもしれません。
ルッカ森（西）の「暴かれた墓」です。よろしくお願いしますね。

ディアン・ケト…。もしかしてルッカ森の方もディアン・ケトだったのでしょうか。
ディアン・ケトとは、かつてコッツ周辺に存在した小国の名前です。
精霊に強く愛され、闇を跳ね除ける力を持っていたバロルという司祭がいました。
あなたに光球を探してきてもらいましたね。あのバロルです。
しかし、そのクドラクという死者の墓が暴かれていた…。
ということは、村にも何かしらの異変が起きていてもおかしくない…。
これについては、少し調べてみましょう。
そうだ。お礼をする前に、こちらを見てください。

これに包まれているものこそあの黒い短剣です。
布を取れば、覆い隠された呪いが解放され、魔族の仲間である謎の女が奪いに来るかもしれない。
慎重に、そして速やかに目的を遂行しなければいけません…いいですか。

す、すごい力だ…！くっ！！

間違いありません。自慢できることではありませんが、呪いを体験した私には分かります。
呪われた鎧と同じ…魔王の呪いがかけられています。
そして、紋章。鎧に刻まれていたものと、まったく同じものであると確認しました。
おそらく短剣と鎧は持ち主が同じ…。
つまり、その人物のほかの所持品も等しく呪いを受けているということでしょうか…。
クドラクという存在や、紋章については、もう少し調べる必要がありそうです。
これは、ご協力いただいたお礼です。ありがとうございました。

なにはともあれ、断片の情報をつなぎあわせるには、あなたの力が必要です。
調査した結果は、すぐにあなたにお伝えします。それでは。